戸籍の調査・収集が面倒な場合、戸籍の提出先がたくさんある場合
さまざまな相続手続において、どの機関からもまず言われるのが戸籍の収集と提出です。これはお客様自身が手続をしていただく場合でも、司法書士が相続手続をする場合でも共通して各機関から求められる手続です。
この戸籍の調査・収集が面倒であることが相続手続を面倒になってしまう原因のひとつです。宇都宮在住の方が、すべての戸籍を宇都宮市役所で取得できれば手間もかからず非常に楽です。しかし、実際は過去に本籍があった場所が宇都宮市以外の栃木県内市町村であることや、他県の市町村である場合も多く、わざわざその市町村まで出向くか、面倒な郵送請求手続をしなければなりません。
マイナンバー制度が開始されましたが、マイナンバーさえ提出すれば戸籍に記載されている内容がすべて確認できるという状況までの利便性はまだありません。実際には戸籍をひとつ取得してはじめてその1つ前の戸籍の所在地がわかる、という状況で、司法書士が代理して戸籍を取得する場合でもとても手間と時間がかかる作業です。
最近の戸籍はコンピューター化されているため、字も読みやすくなっていますが、古い戸籍(除籍謄本・原戸籍謄本)などは、コンピューター化されていない場合があり、癖のある手書きの字であったり、草書体の手書き文字であったりした場合には、辞典を片手に戸籍を解読する場合もあります。
司法書士でさえ手間取る戸籍の解読を一般の方がおこなうことは非常に苦労を伴います。面倒な戸籍の調査・収集を最初から司法書士に依頼することもひとつの手です。
また、調査・取得した戸籍を各種機関に提出するのも面倒です。たとえば、相続手続に必要となる戸籍謄本などが全部で10通となった場合、その10通をA銀行、B銀行、C銀行、D法務局、E証券会社に提出しなければならないとします。同時並行で相続手続をするとしたら、10通×5機関で50通とらなければならないと考える方もいらっしゃると思います。また、A銀行から順番に相続手続を進めるとしても、A銀行はA銀行で提出された戸籍の解読に時間がかかるため、すぐに戸籍の原本を返してくれるとは限りません。そうすると、なかなかB銀行に戸籍の提出ができないことになります。
そこで、当事務所ではあたらしくはじまった制度である法定相続情報証明制度を利用します。今回のケースで言えば、必要となる10通の戸籍があつまった段階で、まず司法書士が法務局で法定相続情報証明書を申請・取得します。法務局の発行手数料自体は無料なので、提出先が5か所であれば、5枚の法定相続証明書を取得します。当事務所では宇都宮地方法務局でまずこの証明書を取得し、戸籍の代わりにこの証明書を各種機関に同時に提出します。提出を受けた銀行でも、戸籍を一字一句読むよりも、法定相続証明書を提出してもらったほうが、はるかに審査が楽になるため、歓迎されるケースがほとんどです。ようやくこの制度も栃木県内の銀行、証券会社、生命保険会社の間で認識されてきましたので、ぜひ利用していただくことをおすすめします。
法定相続証明情報は法務局に申請し、発行してもらうものですが、これも司法書士の業務範囲のひとつです。ぜひこの便利な制度を利用していただければと思います。また法定相続証明情報のご相談もお気軽に高橋洋一司法書士事務所までお問合せください。