兄弟相続特有の問題について②
兄弟・兄妹・姉妹・姉弟間の相続でよくおこなう遺産分割方法として、遺産を誰かが引き継ぐのではなく、すべて換価換金して全員に分配する方法が挙げられます。
例えば、亡くなった兄は宇都宮市内に不動産を所有していたけれども、弟二人は都内と横浜在住なので、宇都宮市内の不動産を手放したい、という場合です。また、栃木銀行、足利銀行の預金の口座残高もすべて解約して分配することを希望する、といった場合です。
このケースで苦労するのは、やはり多くの戸籍を集めなければならないことと、だれが遺産の相続手続をおこない、その後に遺産の分配をおこなうか、ということです。
兄妹姉妹の相続の場合は、相続人がそれぞれ遠方に住んでいることも多く、代表して誰が面倒な相続手続をするのか、なかなか決まらないといった相談も多く寄せられます。
不動産を売却したうえで、売買代金を分配するにしても、亡兄の名義のまま売却することはできず、一旦相続人名義に所有権移転登記してからでなければ売却できません。
預貯金にしても、郵送で解約することができる場合もありますが、ほとんどの場合、直接窓口に相続人が赴き、相続手続をする必要があります。また、相続した預貯金を誰が分配するかについても悩みどころです。
証券会社で株や投資信託を保有していた場合も、亡くなった被相続人名義のまま売却・換金することはできず、まず相続人代表者名義の口座を開設したうえで、株や投資信託を相続移転し、その後にようやく売却したり換金したりできるようになります。
当職も、兄妹姉妹の相続でこのような場面を多く目にしてきました。こういった場合に、司法書士が戸籍の収集から相続登記、預貯金の解約、証券会社の相続手続と換金手続、集約した預金等の分配を代理しておこなうことが最近は増えてきました。不動産の売却についても、司法書士が不動産業者に依頼をし、スムーズに売却を進めることも可能です。兄弟相続で悩まれている場合は、まずは一度ご相談ください。